八王子駅南口徒歩二分の皮膚科、泌尿器科、内科クリニック

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尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)

尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は一般的に「ウイルス性いぼ」ともいわれています。ヒトパピローマウイルス(HPV)が感染することにより発症する皮膚疾患で、主に手や足、顔などにでき、数mm~1cm程の小さな皮膚の盛り上がりで、表面がザラザラとして、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。良性腫瘍ですが、他の部位への感染や他の人に感染しやすいのが特徴です。健康な人では自然治癒もありますが、放置すると体の他の部位にもうつったり、家族など身近な人に広がることもあるため、早期の診断・治療が必要となります。

HPVが原因となる感染症としては性感染症の1種の尖圭コンジローマ、若年者の顔にできやすい扁平疣贅などがありますが、原因となる「型」に違いがあるため、HPVワクチンでは尋常性疣贅は予防できません。

原因

HPVは皮膚の僅かな傷や傷口から侵入し、表皮の基底細胞に感染して角化細胞を異常増殖させます。皮膚は角質によりウイルスが侵入しないようバリア機能がありますが、傷などが原因となり角質のバリア機能が破綻してしまうと、基底細胞にウイルスが侵入し感染してしまいます。感染した基底細胞が表皮内で異常増殖をし、イボとなります。異常増殖をした細胞を栄養するために血管ができるため、イボ内には血管による黒い点が認められます。

感染経路は、直接ウイルスがいるイボが接触するだけでなく、間接的な接触(タオル・スリッパ・プールや銭湯の床や椅子の共用など)でも感染が起こります。バリア機能が低下しやすいアトピー性皮膚炎の方で感染を起こしやすいといわれています。

好発部位

小さい傷やケガをしやすい「肌が露出している」部位でできやすいといわれています。具体的には、足裏、足指、手のひら、手指、顔、膝などがあげられます。最初は足にできたものが、手などで触ることで付着したウイルスが体の他の部位に拡がってしまうことがあります。

足裏にできた尋常性疣贅は足底疣贅ともいわれ、盛り上がらずにざらざらと硬くなるだけのことがあり見た目が魚の目と似ていることがあります。

症状

表皮が盛り上がり、硬くざらついた隆起性のしこりができます。中に毛細血管が凝固した黒い点を伴う場合があります。イボは大きくなったり、数が増えたり、他の部位に拡がったりすることがあります。足底疣贅で角化の強いものでは、「魚の目やタコ」との見分けが難しいことがあります。

検査

特に必要はありません。

診断

問診、視診など主に臨床所見(見た目・分布・経過)から診断されます。

治療法

液体窒素による冷凍凝固療法(保険適応)

-196℃の液体窒素に浸した綿棒を患部に数秒押しつけます。液体窒素による治療は1~2週間毎に治るまで複数回(5~10回ぐらいが目安ですが、大きさなどによりさらに回数が必要となることがあります)繰り返していきます。

①HPVに感染した細胞が、液体窒素により壊死させ、剥がれ落ちる
②凍結刺激によって治療部位周辺の免疫を活性化させることで、ウイルスを排除する

繰り返すことによって、液体窒素後はウイルスがいない正常な皮膚となっていきます。液体窒素での治療は痛みがでるため、耐えられるぎりぎりの時間内でイボが「凍結して白くなるまで」行います。時間が短いと十分な効果が得られません。時間が長いと効果も高くなりますが、液体窒素後に水疱ができたり、色素沈着をおこすことがあります。回数を重ねても治癒しないこ繰り返すことによって、液体窒素後はウイルスがいない正常な皮膚となっていきます。液体窒素での治療は痛みがでるため、耐えられるぎりぎりの時間内でイボが「凍結して白くなるまで」行います。時間が短いと十分な効果が得られません。時間が長いと効果も高くなりますが、液体窒素後に水疱ができたり、色素沈着をおこすことがあります。イボが大きい場合では回数を重ねても治癒しにくい、難治性のことがあります。その際には冷凍凝固療法に加えて自費治療にはなりますがモノクロロ酢酸やトリクロロ酢酸、フェノールなどでの治療を併用する場合があります。

サリチル酸の外用薬(保険適応)

スピール膏を 3~5 日貼付し、張り替えていきます。イボのない性状な皮膚に付着するとかぶれてしまうことがあります。イボにサリチル酸が効く理由は以下になります。

①角質を軟化・剥離することでイボを削り取る働きがある
②局所的な刺激により免疫反応を促し活性化させることで、ウイルスを排除する

ヨクイニンの内服(保険適応)

ヨクイニンはウイルスによるイボの治療に用いられます。老人性疣贅には効果はありません。成人は18錠/日もしくは3~6g/日内服、小児は成人の半量を内服します。疣贅が消失したという報告もありますが、数週間から数か月内服する必要があり、液体窒素による冷凍凝固療法との併用がおすすめです。ヨクイニンがイボに効く理由は以下になります。

①皮膚細胞の角化や代謝を正常化する作用により、HPVに感染した細胞の排出を促進します。
②免疫を活性化させ、ウイルスに関した細胞の排除を促す働きがある。

脂漏性角化症(老人性疣贅)にはヨクイニンは効果がありません。

トリクロロ酢酸の塗布(自費診療)

冷凍凝固療法が無効時に行われる治療となります。モノクロロ酢酸やフェノールなどを使用する場合もありますが、当院ではトリクロロ酢酸を使用した治療を行う予定です。トリクロロ酢酸は液体窒素の治療と比べ痛みが少なく、治療部位が水膨れになりにくく、液体窒素で効果が得られなかったイボへも効果を発揮することがある点が特徴となります。治療は口や目回りなどは行うことができません。また、治療後もわずかですが薬剤が残った状態となるため、治療部位をなめたり、目をこすらないようお願いしています。

注意点

尋常性疣贅が疑われるときは、早く受診をし治療を開始することで治療期間を短くし、感染拡大や周囲への感染予防につながります。

ひっかき傷や擦り傷、ささくれなどはHPVウイルスが侵入し感染する危険性があるため、傷ができないよう肌の保護をすることで感染予防につながります。

タオルやスリッパなどの共用、プールや銭湯で足に傷がある状態での素足の接触は感染の注意が必要です。

皮膚のバリア機能を高めるため、保湿や紫外線対策も感染予防につながります。

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