八王子駅南口徒歩二分の皮膚科、泌尿器科、内科クリニック

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外用治療(トレチノインハイドロキノン療法、ルシノール)

トレチノインハイドロキノン療法

メラニンの排出促進するトレチノインとメラニンの生成を抑えるハイドロキノンを組み合わせた外用治療です。肝斑治療の他にレーザー治療後などの炎症後色素沈着やレーザー治療と併用されます。また、高濃度のトレチノインを使用しシミ治療に使用される場合もあります。トレチノイン、ハイドロキノンとも皮膚刺激性があるため肌に合った適切な濃度での使用が必要です。

当院でのトレチノインはレーザー治療との併用により色素沈着を早期に改善する目的や肝斑治療のために処方をさせていただいているため、0.05%もしくは0.025%と低めの濃度のものとなります。

トレチノイン

トレチノインはレチノールの1種であるレチノイン酸のオールトランス型のことをいいます。表皮細胞の増殖促進と角質の剥離を促進しターンオーバーが促進され肝斑や日光性色素班、炎症後色素沈着等沈着したメラニンの排出を促します。
他の働きとして、表皮角化細胞間や角質にヒアルロン酸などのムコ多糖類の沈着を促し表皮の水分量増やす働きや、真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進、MMP(細胞外マトリックス分解酵素)抑制などの作用により、光老化の抑制効果による肌のリジュビネーション効果があるといわれています。
トレチノインを含むビタミンA誘導体ではメラノソームの転送抑制、チロシナーゼの転写阻害、メラニン合成阻害の作用もあるといわれています(メラノサイトへの作用については作用がないとする意見もあります)。

トレチノインは継続した使用により耐性化を起こし、本来の効果を発揮できなくなるため2~3か月程度の使用とし、1~2か月以上の休薬期間が必要といわれています。普段からレチノールを含んだスキンケア用品を使用している場合もトレチノインが効きにくい場合があります。

トレチノインを使用した外用薬治療では、Kligman’s formula. Triple combination cream(0.1%トレチノイン、5.0%ハイドロキノン、0.1%デキサメタゾン)が有名です。ステロイド剤が含まれるため、肌の炎症を抑える働きはありますが、長期使用による皮膚委縮などの副作用の可能性があります。

当院で処方させていただくトレチノインは、レーザー治療と併用をし色素沈着の改善を早める目的、トラネキサム酸等の内服と組み合わせての肝斑治療となっております。肌への刺激性や安全性を考慮し、トレチノインは0.05%もしくは0.025%のクリームタイプのトレチノインを処方させていただいております。また、耐性化のリスクを考え1~2か月程度の使用とさせていただいております。

過去にセラピューティックのご経験がある方、レチノール系(レチノール、パルミチン酸レチノール、グラナクティブレチノイドなど)を使用している方では期待している効果が得られない可能性があります。

トレチノインの濃度は水性ゲル基材やクリーム基材などの基材により皮膚浸透度がことなるため、過去に使用した濃度であっても基材が変わることにより効果が異なる可能性があります。

注意事項

  • 妊娠中、妊娠の可能性がある方はご使用できません。
    • 外用開始後の数日後から1~2週間以内に皮むけや赤み、かゆみが多くの方で出現します。塗布部位がジュクジュクするといった強い症状がある際は使用頻度を減らす(毎日から2日に1回、3日に1回と減らします)、もしくは中止を医師の診察を受けてください。
    • 皮膚刺激性による接触皮膚炎で炎症後色素沈着を起こすことがあります。
    • 使用期限は2か月となり、冷蔵庫内での保管をお願いします。

ハイドロキノン

ハイドロキノンはチロシナーゼの阻害をし、メラノサイトによるメラニンの合成阻害作用があります。細胞毒性もあるといわれ、白斑のリスクがあるといわれていますが、5%程度の濃度では色素脱出の報告はありません。
しかし、日中強い紫外線を浴びるといった日焼け時ではメラノサイト内のチロシナーゼが活性化している状態ではハイドロキノンのヒドロキシル基が酸化されカルボニル基となり周囲を酸化させるようになってしまいます。ルシノールはハイドロキノンと比べ酸化されにくく、酸化された状態が不安定なため、すぐに元に還元されるもしくは分解されますが、ハイドロキノンでは安定しているため、長い間周囲を酸化させ続けてしまうため、逆にシミが濃くなることがあり、朝使用する場合は徹底した紫外線対策が必要となります。

ハイドロキノンのみでの使用では、すでに沈着したメラニンへは効果がないためターンオーバーによる排出を待つ必要があり効果の実感まで2か月程度必要となります。

一方で、ハイドロキノンは外因性組織黒変症をおこす原因の1つとも考えられています。1%~2%のハイドロキノンクリームを⾧期間(> 6か⽉)使⽤した後、いくつかの⺠族で外因性組織褐変症を引き起こすことが報告されています。

当院では、外因性組織黒変症のリスクを考えハイドロキノンの使用は3か月程度までとし、休薬期間を置くことをおすすめさせていただいております。

注意事項

  • 妊娠中、妊娠の可能性がある方はご使用できません。
  • お顔への使用前に手首などでパッチテストをおこなってください。強い赤み刺激感などの症状がある際は、使用頻度を減らす(毎日から2日に1回、3日に1回と減らします)、もしくは中止をし医師の診察を受けてください。
    • 皮膚刺激性による接触皮膚炎で炎症後色素沈着を起こすことがあります。
    • 使用期限は2か月となります。冷蔵庫での保管をお願いします。
    • 紫外線や温度の影響を受け、変色する場合があり、その際は使用せず新しいものを使用するようお願いします。

ルシノール

ルシノールはPOLAが開発した美白有効成分(医薬部外品)で、化学名は4-n-ブチルレゾルシノールといいます。1998年に日本で「メラニン生成を抑える」美白有効成分として承認されています。ハイドロキノンと同じフェノール系で、チロシナーゼを阻害することでメラニン生成を抑える働きがあり、ハイドロキノンと比べると刺激性は低く、安全性は高いといわれています。

製品としてはPOLA MEDICALのダイヴブライトセラムがあり、顔全体になじませるタイプのものとなります。ハイドロキノンではポイントでの使用に対して、ルシノールは全顔での使用になります。

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