
両頬や鼻を中心に1~3mmの灰褐色でやや青みを帯びた色素斑が多発します。日中韓の思春期以降の女性にできやすいといわれ、小さい老人性色素斑や雀卵斑と似ており鑑別が難しいことがあります。また、IPL治療後に残ったそばかすはADMによく似ているため、治療歴も鑑別のために重要となります。
原因は真皮上~中層にある真皮メラノサイトです。後天性真皮メラノサイトーシスでは先天的に同部位に真皮メラノサイトが存在しますが、活性化される原因についてははっきりとわかっていません。以前は太田母斑の一種と考えられていました。太田母斑は女性に多く、生後間もなく発症することが多く、思春期以降に発症することもあります。発症部位は三叉神経第1枝、第2枝が支配領域に出現し、大部分は片側のみの発症です。ADM治療時は肝斑の合併も多いため注意が必要と考えられています。YoshimuraらはADM患者62例中、6例肝斑の合併があったと報告しています。
治療
治療はレーザーによるスポット照射になります。
治療方法
レーザーによるスポット照射
トラネキサム酸の内服や外用治療(トレチノインとハイドロキノン)の併用
ルビーフラクショナル…当院では取り扱いがありません
レーザーを使用した治療を3~5回程度行い真皮メラノサイトおよび沈着したメラノソームを破壊し分解排出する治療を行います。真皮層のメラニンのためシミと異なりかさぶたとならないこともしばしばあります。照射後1~3か月程度かけて徐々に壊されたメラノソームは排出され、薄くなっていきいます。照射後の炎症後色素沈着の予防や治療もかねて、トレチノインとハイドロキノンやトラネキサム酸の内服などを併用することもあります。
当院ではルビーフラクショナルの扱いはありません。