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淋病の予防

淋病の予防効果のあるワクチン

近年、性感染症のひとつである淋病(淋菌感染症)が世界的に増加しています。特に、セフトリアキソンという治療薬に耐性を持った「スーパー淋菌」が増え、治療が難しい薬剤耐性菌が深刻な課題となっています。もともと髄膜炎菌の感染予防を目的として開発されたワクチンが、淋病の予防に役立つことが注目されています。

淋病はNeisseria gonorrhoeae(淋菌)によって引き起こされる性感染症で、尿道炎、子宮頸管炎、咽頭炎などを引き起こします。特に若年層に多く、再感染率も高いことが知られています。髄膜炎菌と淋菌は遺伝子的に近い細菌で、両菌ともNeisseria属に分類されます。この類似性がワクチンによる交差免疫をもたらし、予防効果が期待できるといわれています。

予防効果を得られるワクチンは血清型Bの髄膜炎菌に対するワクチンでの研究で明らかとなりました。

Bexsero(B型髄膜炎菌に対するワクチン)

淋病の感染を予防する効果のあるワクチンは血清型Bのワクチンになり、交差免疫により淋病感染の予防効果が期待できます。

交差免疫

交差免疫とは、ある病原体に対して得られた免疫(抗体や細胞性免疫)が、構造や抗原が似ている別の病原体にも効果を及ぼす現象のことをいいます。

日本で承認を得ている髄膜炎菌ワクチンには、メンクアッドフィという製剤があります。メンクアッドフィは髄膜炎菌による感染症を予防する4価結合型ワクチンのことをいい、A、C、W、Y型の髄膜炎菌多糖抗原をジフテリアトキソイドに結合させた結合型ワクチンです。髄膜炎は日本国内で流通をしている髄膜炎菌ワクチンは「血清型B」をカバーしていないため、「海外で使用されている血清型Bの髄膜炎菌に対するワクチン」を使用する必要があります。

血清型Bの髄膜炎菌に対するワクチンで商品名:Bexseroというワクチンがあり、ニュージーランドやカナダ、オーストラリア、アメリカなどで行われた疫学研究では、Bexseroを接種した集団において淋病の発症率が30~40%程度減少したという報告があります。ただし、髄膜炎菌ワクチンはもともと淋病用に設計されたものではないため、完全な予防効果は期待できず、Doxy-PEPの併用も組み合わせることでより確実な感染予防を試みる必要があります。

接種方法

ワクチンは1回目の接種から1ヶ月以上空けて2回接種が必要です。

ワクチン接種による予防効果の持続期間ははっきりとしていませんが、ワクチンによって得られる予防効果が 2 年以降に低下してしまうため、3年毎の追加接種が望ましいという報告があります(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8922007/

Bexseroは輸入ワクチンのため、国内承認ワクチンに適応される「予防接種健康被害救済制度」や、「医薬品副作用被害救済制度」は適応されません。

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