主な性病の一覧となります
クラミジア感染症
クラミジアが男性の尿道、女性の子宮頚管、咽頭などの粘膜に感染をし発症します。
クラミジア性尿道炎
初尿を採取し、核酸検査(PCR法など)でクラミジア感染の有無を検査します。淋菌の検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
クラミジア性子宮頚管炎
自身で綿棒を使用して膣分泌物を採取する、膣ぬぐい液でクラミジア感染の有無を検査します。淋菌の検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
咽頭クラミジア
検査用のコップの中にある液体を口にふくみガラガラとうがいをし、液体をコップに戻した咽頭うがい液でクラミジア感染の有無を検査します。淋菌の検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
※咽頭と尿(男性)もしくは膣ぬぐい液(女性)の検査は保険診療では同時に行うことができません。
淋病
淋菌が男性の尿道、女性の子宮頚管、咽頭などの粘膜に感染をし発症します。
淋菌性尿道炎
初尿を採取し、核酸検査(PCR法など)で淋菌感染の有無を検査します。クラミジアの検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
淋菌性子宮頚管炎
自身で綿棒を使用して膣分泌物を採取する、膣ぬぐい液で淋菌感染の有無を検査します。クラミジアの検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
咽頭淋病
検査用のコップの中にある液体を口にふくみガラガラとうがいをし、液体をコップに戻した咽頭うがい液で淋菌感染の有無を検査します。クラミジアの検査も同時に行うことが可能です。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
※咽頭と尿(男性)もしくは膣ぬぐい液(女性)の検査は保険診療では同時に行うことができません。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
マイコプラズマ・ジュニタリウム、マイコプラズマ・ホミニス、ウレアプラズマ・ウレアリチカム、ウレアプラズマ・パルバムの4種が男性の尿道、女性の子宮頚管、咽頭などの粘膜に感染をし発症します。保険診療で検査および治療が可能なものは尿道および子宮頚管への感染によるマイコプラズマ・ジュニタリウムのみになり、咽頭感染時は4種とも自費診療での検査と治療になります。
尿道炎
初尿を採取し、核酸検査(PCR法など)でマイコプラズマ・ジュニタリウムの感染の有無を検査します。保険診療では淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出と、腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を同時に行うことができないため頻度の多い淋菌およびクラミジアの検査を先に行い、否定された場合検査行います。パートナーが診断を受けた際は先に検査を行うこともあります。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
子宮頚管炎
自身で綿棒を使用して膣分泌物を採取する、膣ぬぐい液でマイコプラズマ・ジュニタリウムの感染の有無を検査します。保険診療では淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出と、腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を同時に行うことができないため頻度の多い淋菌およびクラミジアの検査を先に行い、否定された場合検査行います。パートナーが診断を受けた際は先に検査を行うこともあります。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
咽頭感染
検査用のコップの中にある液体を口にふくみガラガラとうがいをし、液体をコップに戻した咽頭うがい液でマイコプラズマ・ウレアプラズマの感染の有無を検査しますが、咽頭の検査は腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を保険診療上行うことができないため、咽頭感染は自費での検査および治療となります。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
膣トリコモナス症
トリコモナスといわれる原虫のうち膣トリコモナスが感染をし発症します。男女で感染する部位が異なり、男性では尿道から上行感染をおこし前立腺、精嚢に感染することがありますが症状は無症状もしくは軽い尿道炎が多いです。女性では膣内、子宮頚管、尿道、膀胱などに感染をおこし、おりものの変化(量が増え、魚の腐ったようなにおいや緑色の泡沫状)やかゆみを起こしますが、典型的な症状を示さないことが多く、他の性感染症との鑑別が難しいことが多いです。。
トリコモナス性尿道炎
初尿を採取し、核酸検査(PCR法など)で膣トリコモナスの感染の有無を検査します。保険診療では淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出と、腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を同時に行うことができないため、通常は性感染症の頻度の多い淋菌およびクラミジアの検査を先に行い、否定された場合検査行います。パートナーが先に診断を受けた際は検査と治療を行うこともあります。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
トリコモナス性膣炎
自身で綿棒を使用して膣分泌物を採取する、膣ぬぐい液で膣トリコモナスの感染の有無を検査します。保険診療では淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出と、腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を同時に行うことができないため頻度の多い淋菌およびクラミジアの検査や細菌培養検査(膣カンジダ症や細菌性膣症を疑い検査)を先に行い、否定された場合検査行うことが多いです。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
カンジダ
カンジダ・アルビカンスという真菌(カビの仲間)に感染をし発症します。常在菌の1種といわれており、性交渉により発症することが知られていますが、ほとんどは抗生物質の内服、ストレス、体調の変化などを理由とした自己感染が原因といわれています。
カンジダ性亀頭包皮炎
亀頭や陰茎、包皮に白色~黄色の付着物やびらん(赤み)、腫れ、痛み、かゆみを起こします。炎症が長引くと包皮が縦切れを起こすことがあります。亀頭包皮炎はカンジダ以外の細菌感染が原因の可能性も高いため、症状のある皮膚や粘膜の擦過物(綿棒で擦りとった検体)を培養検査を行います。培養検査は結果が出るまで数日要します。
カンジダ性尿道炎
カンジダによる尿道炎はまれではありますが起こることがあります。尿道口に綿棒を触れて採取した分泌物もしくは初尿の培養検査を行います。クラミジアなどの性感染症への感染が疑われる場合は、頻度の多い淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出を初尿で行います。検査結果がでるまで数日要します。
外陰部膣カンジダ症
陰部のかゆみや白色~黄緑色のおりものが増え、かゆみや灼熱感を伴うことがありますが、典型的な症状を示さないことが多く、他の性感染症との鑑別が難しいことが多いです。おりもの異常を起こす原因としては子宮頚管炎、膣カンジダ症、トリコモナス膣炎があげられます。原因の診断のために自身で綿棒を使用して膣分泌物を採取する、膣ぬぐい液での培養検査を行いカンジダ感染や他の一般細菌の感染の有無を検査や、性感染症の核酸検出検査を行います。
繰り返すことが多く、カンジダ感染と思い治療を行うも改善しない場合は他の性感染症が原因であることもあるため、外陰部膣カンジダ症として治療後も症状が改善しない際は、膣トリコモナス症の検査や細菌培養検査、頻度の多い淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出と検査を進めていく場合があります。多くの医療機関では外部へ委託をし検査を行うため検査結果が出るまで数日要します。
性器ヘルペス症
単純ヘルペスウイルス1型または2型が皮膚や粘膜に感染することにより、痛みを伴う浅い潰瘍性(ただれ)または水疱性の病変を形成します。一般的には1型はくちびるを中心とした顔面、2型は性器を中心とした下半身に多く発症するといわれていますが、オーラルでの行為により1型でも性器周囲に、2型でもくちびる周囲に感染することがあります。また、尿道炎単独での発症を起こすこともあります。抗ウイルス薬の内服は増殖を抑える効果のみのため、一度感染をすると完治することはできず繰り返すことがあります。保険適応の検査は単純ヘルペスウイルス抗原定性として初発時にHSV抗原迅速検査キットを使用し可能となっています。
性器ヘルペス
性器周囲の皮膚や粘膜に感染をし発症します。性器ヘルペスの場合、性器周辺への感染をさすため、1型か2型かは問いません。男性では性器や肛門周辺など。女性では膣周囲や肛門、子宮頸部などに感染をします。臀部や大腿にも症状が出現することがあり、感染部位に水疱性の病変(みずぶくれ)もしくは潰瘍(ただれ)を形成し、激しい痛みを伴います。初回感染では特に症状は強く出て、強い痛みや発熱、リンパ節の腫脹などおこすことがあります。男性では梅毒の一次病変や亀頭包皮炎と鑑別が困難なことがあります。
初発時にヘルペスが疑われる際、症状のある部位の皮膚擦過物によるHSV抗原迅速検査キットでの検査が保険適応で可能ですが病変や症状が乏しい場合は検査で陰性と出ることもあります。再発を繰り返すことも多く、診察で診断をします。
ヘルペス性尿道炎
男女ともに起こりえます。外陰部の皮膚や粘膜に症状がなく尿道炎単独のことがあります。激しい排尿痛が特徴です。
初発時にヘルペスが疑われる際、尿道分泌物を用いたHSV抗原迅速検査キットでの検査が可能ですが病変や症状が乏しい場合は検査で陰性と出ることもあります。
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。近年急激に感染者数が増えており、感染報告者数は淋菌感染症を上回り性感染症ではクラミジアに次ぐ2番目に多い性感染症です。男性では20~40代、女性では20代の感染報告が多いです。
検査は血液検査を行い、抗生物質の内服もしくは注射で治療を行います。感染が判明するきっかけとしては、感染部位にできるしこりやリンパ節の腫れなどの症状のことが多く、手術の前の術前感染症検査や保健所での無料匿名検査で判明することもあります。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によって生じます。 HPVは200種類以上がありますが、子宮頸がんと関連があるといわれている「高リスク型:16,18など」と尖圭コンジローマに関連があるといわれている「低リスク型:6,11など」に分類されています。
尖圭コンジローマの原因は低リスク型のHPV6または 11型が約 90%を占めるといわれています。3週間から8か月の潜伏期間を経て発症するため、感染機会の特定が難しいのも特徴です。感染部位は性器周辺だけでなく、咽頭や尿道、膀胱内にも感染を起こすことがあります。男性では亀頭、包皮周辺に、女性では外陰部や膣周辺に小さいイボができ、進行すると乳頭状、カリフラワー状、鶏冠状となっていきます。治療は液体窒素による凍結療法、イミキモドクリームの外用になります。
B型肝炎、C型肝炎
血液検査で肝炎に感染しているかどうかの検査を行います。症状や検査結果から肝炎を疑う場合は保険適応での検査を行いますが、無症状での検査では自費での検査(スクリーニング検査)となることが多いです。また、感染が判明した際の治療は消化器専門の病院で行われます。
HIV/AIDS
血液検査で肝炎に感染しているかどうかの検査を行います。症状が出現するまでは長く、感染時の症状も特異的な症状を呈さないため自費での検査(スクリーニング検査)となることが多いです。また、感染が判明した際の治療は専門の病院で行われます。感染が不安な際は保健所での無料匿名検査を行うこともできます。