広頚筋ボツリヌストキシン注射
広頚筋は三角筋を覆う筋膜と大胸筋から下顎骨前面(咬筋筋膜や笑筋、口角下制筋、口唇下制筋)までを覆う筋肉で、下顎骨や下唇を下に引き下げる働きをもつ筋肉となります。下唇を下に引き下げる働きを持つため、口角ボツリヌストキシン(口角ボトックス)への注入で効果が不十分な際に部分的に広頚筋へのボツリヌストキシン注入を併用することがあります。広頚筋は範囲が広く注入する部位や目的により施術の名称が異なります。
プラティズマバンド(首の縦ジワ)への注入
自然な状態での首に水平な横ジワはボツリヌストキシンでは改善効果は得ることができず、ジュベルックやボライト、プロファイロなどのスキンブースター系の注入注射が適応となります。話しているときや首に力を入れたときに垂直に入る縦筋(縦ジワ)をプラティズマバンドといい広頚筋の緊張により形成されます。プラティズマバンドへのボツリヌストキシンを注入することにより首の縦すじが目立たなくなりすっきりとした見た目となります。
ボトックスリフト、ネフェルティティリフト
広頚筋は下唇や下顎骨を下に引き下げる働きから、フェイスラインを引き下げる働きがあります。ボトックスリフトはネフェルティティリフトともいわれており、下顎骨下縁とプラティズマバンドの上半分にボツリヌストキシンを注入することで下方向へ引き下げる広頚筋の働きを弱めることでフェイスラインをはっきりとさせ、自然なリフトアップ効果が期待できる施術となります。
副作用、リスク
口元周囲への注入により口輪筋や口角下制筋、口唇下制筋へボツリヌストキシンが拡散をしてしまい、しゃべりにくさや表情の左右差が出現する可能性があります。
特に顎下の部位でのボツリヌストキシン過量投与やプラティズマバンドより深い部位への注入を行うことによって、首の深部の筋肉へ拡散をしてしまい、物の飲み込み難さ(嚥下障害)やしゃべりにくさ(発声障害)が生じたり、顎下腺に拡散することによって口腔の乾燥といった副作用が生じる可能性があります。