A型肝炎

概要

A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)を含んだ糞便や飲食物を経口摂取し感染することで発症をします。感染後はB,C型肝炎と異なり慢性化することはありません。

潜伏期間

感染から症状が出るまで15~50日で平均28日

検査可能時期

発症後

感染部位

消化管から感染

感染経路

肛門を直接舐めたり、肛門に触れた手で洗わずに口に触れるといったことによる「糞口感染」、汚染された食べ物(ウイルスに汚染されたカキなどの貝類など)を食べることでの感染「経口感染」が原因となります。

性行為での感染は膣性交・肛門性交のみでの感染は起きませんが、性行為中にHAVを含む糞便に触れ、付着した手を洗わずに口に触れると感染をします。また、オーラル(肛門を直接舐めたりなど)での糞口感染があります。

コンドームでの感染予防ができません。

症状と感染部位

潜伏期間は15~50日で平均28日といわれています。症状は黄疸、発熱、倦怠感、食欲不振、肝腫大、褐色尿、白色便、嘔吐、腹痛、筋肉痛などで、血液検査では、肝酵素上昇(ALTは 1,000IU/L以上)が認められます。通常は 1~ 2か月で自然回復し、検査値異常も 2~ 3か月で正常化します。ほとんどは自然に回復をしますが、まれに(1%)劇症化することがあります。

検査および治療

検査はIgM-HA抗体の上昇が基本であり、症状出現時には上昇が認められ、1か月でピークとなり、3~ 6か月で消失します。

特別な治療法はなく対症療法となります。

予防可能で、初回、2~4週間後の2回目、6~24か月後の3回の接種を行います。抗体は2回目の接種以降つきますが3回目の接種をしないと3回目接種時期以降抗体が減少し、十分な免疫がない状態となる可能性があるため、3回目の接種は抗体持続期間を持続させるため必要となります。抗体検査は不要です。 旅行者、慢性肝疾患患者、男性間性的接触者、HIV患者 においては、ワクチン接種が推奨されています。