肌育注射はスキンブースター注射ともいわれます。肌育注射とは顔の輪郭などの形を変えずに、肌の小じわや毛穴、ニキビ跡などの肌の悩みや肌の質感の改善効果が期待できる治療となります。「ヒアルロン酸の注射」というと、薬剤を充填することによりボリューム増やし、ほうれい線や顎など足りない部分を補うボリュームコントロールを行う治療となり、コンセプトの異なる治療となります。

肌育注射は、皮下に特殊な薬剤を注入することによって線維芽細胞を活性化させる働きのある成分を注入することで、肌の悩みや肌質の改善や真皮のリジュビネーション効果が期待されます。医師による「手打ち注射」や、機械による「水光注射(ハイコックスやダーマシャインなど)」での注入、ダーマペンやニードルRF(ポテンツァCPチップのドラッグデリバリー)を使用した方法があり、機械での施術では肌への針や熱の刺激による創傷治癒過程による線維芽細胞活性化との相乗効果が期待されます。

水光注射と手打ち注射の比較

水光注射は先端に剣山様の複数の針がある機械を使用し吸引して密着をさせて注入をしていくため、深さは一定かつ速く施術をすることが可能となっています。水光注射は薬液の漏れが手打ちと比べると多くなるため、薬液のロスが少し出てしまいます。また、粘度が高い製剤だと注入ができません。目の際や毛の生え際などへの注入ができない点、鼻など立体的で先端が密着しにくい部位だと浮いてしまい注入が不十分となることがあります。

手打ち注射は水光注射と比べ薬液の漏れが少なく、細かい範囲で多くの量の注入が可能なため、ピンポイントでの悩みがある場合適しています。粘土の高い製剤でも針の太さを調整することで注入が可能です。水光注射と比べ時間を要します。

機械での注入でもダーマペンやニードルRFでの注入は針で刺した状態で薬剤を注入する方法ではなく、ダーマペンでは針が高速に前後に動き刺入する前に薬剤を皮膚の表面に塗布することで刺入と一緒に薬剤が皮下に入る+針穴から皮下に入る施術となります。ニードルRF(ポテンツァCPチップのドラッグデリバリー)では薬剤を皮膚の表面に塗布をし、機械で吸引をしながら針を刺入し、針を抜く際に内部が陰圧状態のため薬剤が皮下に注入されます。

製剤の種類と代表的な製品名

ECM製剤

アミノ酸+非架橋ヒアルロン酸

  スネコス、ジャルプロ、ネオファウンド

ハイブリッドヒアルロン酸製剤

  プロファイロ、バイオリジェン、ハイドロ

PN(ポリヌクレオチド)製剤

リジュラン、リズネ、プルリアルデンシファイ

PDLLA製剤

※PLLA製剤のスカルプトラ、PDLLA製剤のレニスナ(ジュベルックボリューム)はボリュームを増やす目的の製剤となるため、除外しています。

架橋ヒアルロン酸

ボライト(スキンバイブ)

ECM製剤

ECM(Extracellular matrix)は細胞外基質のことをさします。ECMを主に構成しているのは「コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などのグルコサミノグリカン、プロテオグリカン」になります。

コラーゲンは皮膚の構造や強度を保つ働きがあり、伸びたり縮んだりはしないものの引っ張りに強い性質があり、膠原線維といわれます。

エラスチンは伸縮性があり、伸ばしたり縮んだりした後に元に戻る性質があり、肌の弾力性に関連し、弾性線維といわれます。

グルコサミノグリカン(多糖類)・プロテオグリカン(コアタンパク質に多糖が共有結合した物質)について、ヒアルロン酸はグルコサミノグリカンの1種となります。プロテオグリカンはグルコサミノグリカンのうち、ヒアルロン酸を除くコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、へパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸のみが構成できるとされ、プロテオグリカンは多様な集合体となることで特定の分子構造はもたない物質です。これらはECMの水分保持や細胞の保護、肌の弾力性の保持に大事な働きをしています。 

ECM製剤とは細胞外基質(ECM)の成分やその材料となる成分を補うことで、皮膚の再生や活性化を促す製剤になります。成分は主に非架橋型のヒアルロン酸をベースとした製剤になり、アミノ酸などを配合する場合もあります。皮膚の活性化を促す成分でもポリ乳酸やポリヌクレオチドは細胞外基質には存在しない成分ため、肌育注射に含まれますが、厳密にはECM製剤には含まれません。

アミノ酸+非架橋ヒアルロン酸

スネコス、ジャルプロ、ネオファウンドが代表的な商品となります。

スネコス

イタリアのProfessional Dietetics社が開発した製品になります。低分子量の非架橋ヒアルロン酸をベースにし、コラーゲンやエラスチンの産生を促進するために6種のアミノ酸を配合した製剤となります。目元や頬などの小じわを対象とするスネコス200とスネコスパフォルマ、中分子量の非架橋ヒアルロン酸をベースにし、ほうれい線やマリオネットラインなどの深いシワを対象としたスネコス1200があります。スネコスパフォルマはスネコス200の改良版の位置づけで、低分子ヒアルロン酸、アミノ酸ともに増量され1バイアルあたりの総量も増えた製剤となります。

ジャルプロ

イタリアのProfessional Derma社が開発した製品で4種類の製剤(クラシック、HMW、スーパーハイドロ、ヤングアイ)があり、全て非架橋ヒアルロン酸をベースとしています。クラシックは目回りや額などの小じわをターゲットとし、低分子の非架橋ヒアルロン酸と4種のアミノ酸(グリシン、プロリン、リジン、ロイシン)を配合した製剤です。HMWは頬のシワをターゲットとし、中分子の非架橋ヒアルロン酸と同じ4種のアミノ酸を配合した製剤です。スーパーハイドロはリガメントなどの皮下組織へ注入することでたるみへのアプローチをし、低分子と高分子の非架橋ヒアルロン酸に7種のアミノ酸と3種のペプチドを加えた製剤です。ヤングアイは目元の小じわをターゲットとした、2種類の低分子の非架橋ヒアルロン酸に7種類のアミノ酸と3種のペプチドを加えた製剤です。

ジャルプロはスネコスと比べコラーゲン生成効果が高いといわれるアミノ酸のグリシンの配合が50%とスネコスより多く含まれているのが製剤としての特徴となります。

ネオファウンド(特徴としては美白効果)

イタリアのLove cosmedical社が開発した製品です。保湿効果の高い高分子量の非架橋ヒアルロン酸と細胞の活性化を促す低分子ヒアルロン酸をベースに、アミノ酸(グリシン、プロリン、アルギニン)、ナイアシンアミド、レスベラトロール、N-アセチルシステイン、アセチルヘキサペプチドを配合した製剤です。抗酸化作用を有するナイアシンアミドやアセチルシステイン、コラーゲン生成や細胞増殖を促すレスベラトロールの3種類の成分により美白効果や抗炎症成分により赤みや色素沈着の改善効果も期待できます。

ハイブリッドヒアルロン酸製剤

プロファイロ、バイオリジェン、ハイドロが代表的な商品となります。

プロファイロ(肌質改善と脂肪層へのアプローチ)

IBSA社というスイス最大の多国籍企業がイタリアで製造した製品です。低分子ヒアルロン酸と高分子ヒアルロン酸を特別な熱処理(NAHYCOハイブリッドテクノロジー)で結合させた高濃度のヒアルロン酸結合複合体(ハイブリッドヒアルロン酸)製剤になります。架橋剤は使用しておらず、血管塞栓のリスクは極めて低く、注入したヒアルロン酸は注入部位から周囲に拡散することで、真皮層でコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促すだけでなく、脂肪細胞にも働きかけ増やす働きがあります。

ハイドロ(肌の保水性や肌質の改善)

イタリアのPROMOITALIA社が製造した製品です。低分子(50kDa)、中分子(200kDa)、高分子(2300kDa)の異なる非架橋ヒアルロン酸を特殊な熱処置で結び付けたハイブリッドヒアルロン酸製剤になります。架橋剤は含まず、高分子は真皮の保水性を改善、中分子は細胞外基質のリモデリングを促進、低分子は細胞の活性化により肌の質感の向上を目指す製剤となります。

バイオリジェン(肌の保水性、肌質の改善)

高分子量のヒアルロン酸を熱と超音波で処理し、低分子(2kDa)、中分子(100/200/500kDa)、 高分子(1000kDa)の非架橋ヒアルロン酸に断片化させ安定化させた製剤です。高分子は保湿効果、中分子は線維芽細胞と表皮の基底細胞の増殖を促し真皮のリモデリング、低分子は内皮細胞を活性化し血管新生を促進する働きがあります。

PN(ポリヌクレオチド)製剤

リジュランシリーズ、プルリアルシリーズが代表的な商品となります。リジュランの特許期間満了により開発された製剤(後発薬)に、リズネやリジュバンがあります。

サーモンの精巣から抽出されたDNAや核酸の構成成分であるポリヌクレオチドを含んだ製剤で「ECMとは別のカテゴリ」に分類されています。

ポリヌクレオチドはアデノシンA2A受容体を活性化し、血管内皮成長因子の発現や線維芽細胞の活動を刺激する作用があり、創傷治癒を促す働きがあります。血管新生や線維芽細胞の活性化などによりコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外基質合成や、抗炎症作用などの働きがります。

ポリヌクレオチドの注入を行うと実際は損傷を受けていなくても生体内で組織が損傷を受けたと認識され、創傷治癒に関連した様々な反応を促し、皮膚自体の再生力を高める働きがあります。線維芽細胞に作用し活性化させることでコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの生成促進とECMの修復作用があります。この結果、肌の水分保持能力を高め、弾力性やハリ、うるおいを改善させる効果があります。また、抗炎症効果による肌の赤みや色素沈着などの改善効果が期待できます。

リジュランとリズネ

リジュランは韓国のPharmaReserch社が製造している製品です。リジュランにはリジュラン(ヒーラー)、リジュランi、リジュランHB、リジュランSの製剤があります。

リジュランはPN濃度2%で粘度がやや高いため、注入時の痛みが強いです。顔全体のリジュビネーションを目的とした製剤になります。

リジュランiは目元の治療に適し、PN濃度2%と通常のリジュランと同じですが、粘度が低いため皮膚が薄い部位への注入に適した製剤で、目尻や目の周りの小じわの弾力性改善を目的とした製剤になります。

リジュランHBは非架橋型ヒアルロン酸と麻酔薬のリドカインを配合し施術時の痛みが軽減されています。PN濃度は1%と他のリジュランと比べて低いですが、非架橋ヒアルロン酸による保湿効果とPNとの相乗効果が期待される製剤となります。

リジュランSはPN濃度は2%と通常のリジュランと同じですが、リジュランシリーズの中で最も粘度が高く硬い製剤になり、注入後も注入部位に長くとどまることで高い効果が期待されます。ニキビ跡や水疱瘡の跡のへこみなどの肌の凹凸への注入に適した製剤となります。

リズネはリジュランの特許権満了に伴い後発品として発売された製品です。リジュランが鮭から抽出されているのに対し、リズネは鱒から抽出をしています。pHの調整および粘度がリジュランより低いため、痛みが軽減された製剤になります。リズネはリジュランのように複数製品のラインナップはありません。

プルリアルシリーズ

プルリアルシリーズはルクセンブルクのMD Skin Solutions社が製造している製品になります。プルリアルシリーズにはフィラー(ブースター、クラシック、ボリューム)、架橋剤を含む肌育注射のヒアルロン酸(プルリアルバイオスカルプチャー)など様々な製品がありますが、PN製剤は「プルリアルシルク」、「プルリアルデンシファイ」、「プルリアルヘアデンシファイ」の3製剤になります。

プルリアルデンシファイ

PNを10mg/mlと1%、非架橋ヒアルロン酸を20mg/mlと2%、マンニトール40mg/mlが主成分となります。非架橋ヒアルロン酸は肌のうるおいや弾力性において即効性のある改善効果が期待できます。マンニトールはヒアルロン酸の分解抑制効果が期待され、効果を持続させる効果や、痛みの軽減効果などがあります。PN濃度はリジュランと同じですが、非架橋ヒアルロン酸とマンニトールを含むため、即効性や保水性の面でより効果が実感しやすい製品となります。

プルリアルシルク

PNを7.5㎎/mlと0.75%を含む製剤で「プルリアルシリーズですが非架橋ヒアルロン酸は含まない製剤」となります。目回りなどの皮膚の薄い部位に適した製剤となります。

プルリアルヘアデンシティ

PNを7.5㎎/mlと0.75%を含む製剤で「プルリアルシリーズですが非架橋ヒアルロン酸は含まない製剤」となります。脱毛症に対して注入することでポリヌクレオチドが毛根組織を修復することで抜け毛を減少し発毛・育毛を促す効果が期待できます。

プルリアルデンシファイとリジュランの比較

PNの濃度はリジュラン(ヒーラー)が2%に対してプルリアルデンシファイが1%になります。リジュランHBがPNの濃度が1%で非架橋ヒアルロン酸を含む製剤となるため、プルリアルデンシファイはリジュランHBに近い製剤となります。

PDLLA製剤

ジュベルックが代表的な商品となります。ジュベルックは韓国のVAIM社が製造する製剤で、PDLLAと非架橋ヒアルロン酸からなる製剤となります。ジュベルックは韓国MFDS、米国のFDAの承認を受けており、皮内注射への安全性が認められている製剤となります。

PLA(ポリ乳酸)とPLLA(ポリL乳酸)、PDLLA(ポリDL乳酸)の違い

PDLLAはトウモロコシやジャガイモ、サトウキビなどのでんぷんを原料として処理をした成分で生体内では1~2年の時間をかけて水と二酸化炭素に加水分解され体内には残らない物質です。PDLLAはPLAの1種になります。PLAはポリ乳酸といわれ乳酸がエステル結合によって重合した高分子化合物のことをいいます。乳酸にはD体とL体という鏡像異性体が存在し、L体のみを重合させたものをポリL乳酸(PLLA)といい、D体のみをポリD乳酸(PDLA)、D体とL体がランダムに重合したものをポリDL乳酸(PDLLA)といいます。

PDLLAは生体内での分解で乳酸が生成され、周囲に広がり組織を産生とし、炎症性の組織異物反応が起こります。この異物反応によって線維芽細胞が活性化されコラーゲンやエラスチンの新生が起こります。

ポリ乳酸(PLA)のうち、ポリL乳酸(PLLA)は「スカルプトラ」という商品名で商品化され以前から使用されています。この製品は米国のFDAにより「脂肪組織萎縮症」に対して、顔の脂肪の減少への治療のため承認を受けています。PLLA粒子は尖ったクリスタル状のため、表面積が大きく加水分解の際に乳酸が多くできるため強い酸性を帯び、強い炎症を生じる結果、コラーゲン生成効果は高いため、高い効果を得られやすいものの、副作用として肉芽形成や皮下のしこりが生じやすい製剤となります。PLLAは未承認製品だとマックームというポテンツァのCPチップでの薬剤導入用の製剤がありますが、マックームは皮下への手打ちでの注入を行うことはできません。

ポリDL乳酸(PDLLA)は球形の粒子で内部が網目状となっています。分解の際に乳酸の出る量はPLLAと比べて多くないため、副作用が少なくポリL乳酸よりも安全に使用できるようになりました。

効果の発現を実感できるタイミングとしてはポリ乳酸の分解が進み、コラーゲンの促進が促された結果効果が実感できるようになるため、注入から1ヵ月以降で効果をより実感できます。

 ポリ乳酸の歴史

ポリ乳酸はトウモロコシ、セルロース、サトウキビ、ジャガイモなどのでんぷんから製造される植物由来のポリエステルです。1800 年代、ペルーズにより低分子量 PLA を得ることに成功し、1932 年、デュポンの科学者ウォーレス・ヒューム・カロザースにより PLA の合成に成功しました。1954年に同社により高分子量PLAを合成することが可能となりました。その後、生体内での生分解性および無毒化の研究が進み、吸収性縫合糸材料、プレート、ネジなどに使用されるようになりました。注射用の製剤としては1999 年に、New-Fill という商品名で充填剤としての使⽤が承認されました。2004 年に、SculptraがHIV 関連脂肪萎縮症の治療薬として FDA によって承認され、その後美容目的での使用が拡大されていきました。

ジュベルックとレニスナ(ジュベルックボリューム)

肌育注射に使用されるPDLLA製剤をジュベルック、ボリュームコントロールを主な目的に使用される製剤をレニスナ(ジュベルックボリューム)といいます。

ジュベルック(粒子径 24μm、最大34μm)は粒子径が小さく真皮から皮下浅層に適した製剤となりコラーゲン生成による肌のハリや小皺、ニキビ跡の改善効果があります。基本的な注入は手打ちや水光注射などでの全顔への注入になりますが、目周りといった皮膚の薄い部位ではしこりができやすいため手打ちや水光注射の注入は避け、カニューレでの注入が推奨されています。

レニスナ(粒子径 51μm、最大81μm)レニスナは皮下深層に適した製剤で、コラーゲン生成を長期的に促進することでこめかみや頬などのボリュームを出したい部位や額、ほうれい線、ゴルゴライン、マリオネットラインなどの深いシワなどに効果を発揮します。また、ニキビ跡治療でのサブシジョンに併用をしたり、毛穴治療の目的でキュアジェットでの皮下への注入といった応用もされています。

スカルプトラはレニスナと同じ皮下深層でコラーゲン生成を促進し、肌の弾力やボリュームの改善を図るものとなるが、強い刺激性から皮下硬結が生じやすいという問題があり、副作用リスクを非常に少なくしたものがレニスナの位置づけになります。

レニスナはヒアルロン酸と比較すると即効性がないという欠点があります。また、ヒアルロン酸はヒアルロニダーぜで溶かすことができる(溶かしきれないこともある)が、レニスナは自然なボリュームアップとなるため、時間経過とともに効果を実感しやすくなりますが、溶かすことはできず、複数回の治療が必要となります。ヒアルロン酸と比べレニスナは粒子径が小さいため、血管塞栓のリスクもかなり低い製剤となります。

架橋ヒアルロン酸

架橋ヒアルロン酸はほうれい線や顎、こめかみなどボリュームを補う目的で一般的には使用されます。架橋剤が入った柔らかいヒアルロン酸を皮膚の真皮に全体的に注入をしていくことで肌内部のヒアルロン酸を補い、肌のきめや保水力を高める効果があります。

ボライト(スキンバイブ)

アッヴィ合同会社アラガンエスティクスが展開するジュビダームシリーズの1製剤になります。日本ではボライトの製品名ですが、韓国ではスキンバイブという製品名で展開をしています。輪郭を形作るヒアルロン酸とは異なり、小じわなどの皮膚状態の改善を目的にとした製剤で、2020年厚労省より承認を取得しています。

架橋ヒアルロン酸を真皮へ注入をすることにより、肌の保水力の改善、弾力性の向上やシワの改善効果が期待されます。また、架橋ヒアルロン酸のため、1回の施術で効果が発揮され、注入後は注入部位に長時間(9か月)効果が持続するといわれています。

架橋ヒアルロン酸のため塞栓リスクがあります。眼窩縁下方、ほうれい線、眼窩周囲、眉間、額などは慎重に使用することとなっています。注入方法はメーカー推奨の打ち方がありそれに準じて注入を行います。