C型肝炎
概要
C型肝炎はC型肝炎ウイルスが血液を介して感染をします。B型肝炎に比べると感染性は低いですが、通常の感染で60~70%が慢性化するといわれ、高い慢性化率が問題となっています。感染をして2~14週間の潜伏期間を経て急性肝炎を起こすことがありますが、急性肝炎を起こすことはまれで症状のない不顕性感染のことが多いです。慢性肝炎のうち30~40%で約20年の経過で肝硬変へと進行をしていきます。
近年ではウイルス排除を目的とした、飲み薬だけで治療できるインターフェロンフリー治療薬、「マヴィレット配合錠」「エプクルーサ配合錠」「ハーボニー配合錠」の出現により、体内からのウイルス排除が可能となってきています。
潜伏期間
感染から症状が出るまで2~14週間
検査可能時期
感染機会から3か月もしくは24日(検査法により異なります)
感染部位
全身(粘膜、皮膚、傷のある部位から感染をします)
感染経路
HCV感染者の血液を介して感染をします。感染確率の高いものとしては、注射器や針などの使いまわし、不衛生な出血を伴う医療・民間療法。感染率は低いですが母子感染や性行為での感染も起こりえます。
性行為での感染は傷口がある場合や、生理中など出血がある場合は感染のリスクが高くなります。通常のキスでは感染はほぼないと考えられていますが(唾液では感染を起こしません)、唇や歯茎からの出血がある場合は感染の可能性があります。
症状
HCV感染後2~14週間の潜伏期間後に急性肝炎を起こすことがあるがまれで、多くは症状をのない「不顕性感染」となります。感染後60~70%が慢性肝炎となるといわれています。慢性肝炎中はほぼ無症状で経過をし、30~40%で約20年の経過で肝硬変へと進行し、食道静脈瘤の合併や黄疸、腹水貯留、意識障害などを起こし死に至る危険性があります。
検査と治療
一般的なC型肝炎の検査はスクリーニングとしてHCV抗体検査を行います。HCV抗体は「現在感染している人」「過去に感染をしたことがある人」で陽性となり、感染初期(感染から2~3か月間)にはHCV抗体は陽性化しないウインドウ期になるため、感染機会から3か月経過して検査が可能となります。HCV抗体測定のみで C型肝炎の診断をつけるのは難しいです。
HCV抗体をスクリーニング検査として実施し、HCV抗体が陽性の場合は現在の感染の有無を調べるために、HCV-RNA定量検査を行います。
HCV-RNA定量検査はウィンドウ期が23日とわれており、24日経過していれば検査可能となります。
治療はインターフェロンを使用した治療と、インターフェロンフリーの治療、ウイルス除去が困難な方での肝庇護療法となります。