八王子駅南口徒歩二分の皮膚科、泌尿器科、内科クリニック

ボタン
ボタン
ボタン
ボタン

膣炎

膣炎

膣炎とは膣の粘膜に炎症が起きている状態のことをいいます。様々な原因が考えられます。主なものとして細菌、真菌(カンジダ)、寄生虫(膣トリコモナス)などによる感染性のものや、閉経後のエストロゲン低下による膣萎縮と乾燥による萎縮性膣炎や性感染症(淋菌やクラミジア)でも起こることがあります。このページでは細菌性膣炎、カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎についての説明ページとなります。

膣炎の症状は、かゆみ、おりものの異常(量の増加、色の変化(灰色、黄色、黄緑色)、灼熱感、痛みなどが出現します。

主な原因

膣炎の原因として、代表的なものに細菌性膣症、カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎(膣トリコモナス性膣炎)があります。

細菌性膣症

細菌性腟症というと性感染症のイメージがありますが、性感染症をきっかけにして発症をすることがありますが、性感染症ではなく、頻度の多い膣炎となります。原因は膣内の細菌バランスが崩れることで、膣内の環境を保つ働きのある乳酸菌(ラクトバチルス属)が減少し、他の細菌(ガードネレラ・バレナリスや、ペプトストレプトコッカス属)が増殖することで発症します。

原因

ストレス、疲労、ホルモンバランスの乱れ、過度な膣洗浄などが原因になります。また、性行為により、膣内に細菌が侵入し増殖しやすくなることで誘因となることがあります。

この原因菌は常在菌といわれ、もともと膣内やその周辺の皮膚に存在している菌のため、完全に体内から排除することはできません。

症状

主な症状はおりものの異常とにおいになります。一般的に、痛みやかゆみはないといわれています。

おりものの異常:白〜灰色もしくは黄緑色へ変化し、生臭い魚臭の独特の匂い(アミン臭)になり、量は増えて、さらさらとした水っぽい性状になることが多いです。

検査

自身で膣ぬぐい液を採取し、培養検査(一般培養と嫌気性培養)、膣トリコモナスの培養検査や腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を必要に応じて行います。
性行為後で性感染症の合併が疑われる場合ではクラミジアや淋菌の検査も行います。

治療

治療は膣錠を挿入し行います。

原因がトリコモナス膣炎のときでも、メトロニダゾール膣錠の治療で症状は改善しますが、尿道や膀胱に感染している膣トリコモナスは駆虫できないため、再発してしまいます。膣トリコモナスが疑われる場合には検査が必要です。

細菌性膣症の治療

膣錠:メトロニダゾール(フラジール腟錠)250㎎ 1回1錠を7~10日間腟内に挿入

カンジダ腟炎

カンジダという真菌(カビ)の一種が増殖することで発症します。カンジダは膣内や皮膚に常在菌として存在する菌の1種です。何らかの原因で過剰に増えてしまうとカンジダ腟炎を起こします。

原因

ストレス、寝不足、疲労、風邪などの感染症で免疫力が低下したときや、ストッキングや締め付けの強い下着での蒸れ、洗いすぎ、糖尿病やHIVでの免疫力低下などが原因となります。また、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬(フォシーガなど)も原因となることがあります。

常在菌として全員にカンジダが存在しているわけではなく、健康な女性の 約20〜30% が無症状で常在菌として保有しているとされています。常在菌として存在しない場合では性交渉で感染をする可能性もありますが、多くは性交渉をしていなくてもおこる「自己感染(常在菌が増殖をし、感染し症状が出てしまうこと)」が原因です。

症状

主な症状はおりものの異常、外陰部の腫れやかゆみ、灼熱感を伴うことや、排尿時痛・性交時痛といった痛みを伴うことがあります。においは無臭もしくは酸味のある匂いがします。

おりものの異常:おりものはヨーグルト状やチーズ状で白いカスが出ることがあります。

検査

自身で膣ぬぐい液を採取し、培養検査(一般培養と嫌気性培養)や性行為後で性感染症の合併が疑われる場合ではクラミジアや淋菌の検査も行います。

治療

治療は外陰部の外用薬や膣錠を挿入し行います。症状が強い場合では内服薬での治療を行うこともあります。

カンジダ膣炎の治療

膣錠

オキシコナゾール硝酸塩 600mg(オキナゾール腟錠600mg)1錠を1回使用(1週間に1回)

外用薬

オキシコナゾール硝酸塩 10mg/1g(オキナゾールクリーム1%) 1日2~3回塗布

内服薬

フルコナゾール(ジフルカン) 50mgもしくは100㎎  1回量150mgとなるように 1回内服

トリコモナス膣炎(膣トリコモナス性膣炎)

トリコモナス原虫が腟内に寄生して生じる感染症です。

原因

膣トリコモナスに感染をすることで発症します。主な感染は性行為によります。膣トリコモナスは乾燥に弱いですが、水中では長時間生息が可能です。 そのため性行為が未経験や思い当たる行為をしていない場合でも感染をすることがあり、浴槽・便器・下着・タオルの共有(サウナマットなど)で感染をします。

乳酸桿菌(ラクトバチルス)が膣内のグリコーゲンを乳酸に分解することで、膣内を酸性に保ち、嫌気性菌や大腸菌などの増殖を抑える働きがあります。膣トリコモナスはこのグリコーゲンを大量に消費するため、乳酸桿菌による乳酸産生が抑えられてしまい、膣内環境が変わりpHが上昇することで嫌気性菌や大腸菌が増殖してしまうため、匂いなどの症状が出現してしまいます。

症状

主な症状はおりものの異常、排尿時痛・性交時痛といった痛み、かゆみを伴うことがあります。

おりものの異常:黄色〜緑色で生臭い悪臭(魚の腐敗臭とも)を放つ泡状のおりものが多くなる

検査

自身で膣ぬぐい液を採取し、培養検査(一般培養と嫌気性培養)、膣トリコモナスの培養検査や腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出を必要に応じて行います。性行為後で性感染症の合併が疑われる場合ではクラミジアや淋菌の検査も行います。

治療

治療は内服薬と膣錠を挿入し行います。膣トリコモナスは尿路感染を起こすこともあるため、膣錠のみの治療では尿路感染を治療できず、再発してしまいます。

膣トリコモナスの治療

メトロニダゾール(フラジール錠 )250mg 1回1錠を1日2回 10日間

膣錠:メトロニダゾール(フラジール腟錠)250㎎ 1回1錠を10〜14日間腟内に挿入

    PAGE TOP
    PAGE TOP