性病の検査方法
クラミジア
クラミジアは「尿、膣ぬぐい液(膣分泌液)、咽頭うがい液」の検体で検査が可能な性感染症です。検査の種類には一般的に用いられる「核酸増幅検査(PCR法など)」と自費検査のみではあるが「即日検査(イムノクロマト法)」があります。
直腸肛門擦過物(直腸分泌液)での検査は保険適応はなくすべて自費検査となります。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能です(即日検査の場合、症状が出ていないと感染をしていても検査が陰性と出る可能性があります。)
核酸増幅検査
核酸増幅検査にはPCR法やTMA法、LAMP法などの検査方法があり、精度の高い「高感度の」検査のため、感染の初期や無症状時といった病原体が少ない時期でも病原体の検出が可能です。感染の有無や治療後の治癒確認の検査でも使用されますが、検査はほとんどの施設で外部の検査機関へ委託をし検査をするため、検査結果が出るまで2,3日の期間を要します。治療後の治癒確認の検査では抗菌薬により死滅した菌体が残っているとそれも検出してしまうことがあるため、「治療後2週間以上期間を空けての検査」が大事になります。
即日検査(イムノクロマト法)
イムノクロマト法は酵素免疫測定法を原理とした、遺伝子検査と比べて簡便な検査キットを使用した抗原検査で当日中に検査結果が出るメリットがあります。感度・特異度が遺伝子検査と比べて低いため、実際には感染しているのに感染していないという「陰性」となる偽陰性となりやすく、無症状時や治癒確認の検査としての使用は注意が必要となります。
淋病
クラミジアは「尿、膣ぬぐい液(膣分泌液)、咽頭うがい液」の検体で検査が可能な性感染症です。検査の種類には一般的に用いられる「核酸増幅検査(PCR法など)」と自費検査のみではあるが「即日検査(イムノクロマト法)」があります。また、検査を行っている施設数は少ないものの顕微鏡検査(グラム染色)での検査もあります(グラム染色は男性の尿道分泌物のみ、またグラム陰性双球菌を認める他の細菌感染を除外できないため、確定診断には他の検査が必要となります。)
直腸肛門擦過物(直腸分泌液)での検査は保険適応はなくすべて自費検査となります。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能です(即日検査の場合、症状が出ていないと感染をしていても検査が陰性と出る可能性があります。)
核酸増幅検査
核酸増幅検査にはPCR法やTMA法、LAMP法などの検査方法があり、精度の高い「高感度の」検査のため、感染の初期や無症状時といった病原体が少ない時期でも病原体の検出が可能です。感染の有無や治療後の治癒確認の検査でも使用されますが、検査はほとんどの施設で外部の検査機関へ委託をし検査をするため、検査結果が出るまで2,3日の期間を要します。治療後の治癒確認の検査では抗菌薬により死滅した菌体が残っているとそれも検出してしまうことがあるため、「治療後2週間以上期間を空けての検査」が大事になります。
即日検査(イムノクロマト法)
イムノクロマト法は酵素免疫測定法を原理とした、遺伝子検査と比べて簡便な検査キットを使用した抗原検査で当日中に検査結果が出るメリットがあります。感度・特異度が遺伝子検査と比べて低いため、実際には感染しているのに感染していないという「陰性」となる偽陰性となりやすく、無症状時や治癒確認の検査としての使用は注意が必要となります。
顕微鏡検査(グラム染色)
グラム染色は尿道分泌物のある検体で有効であるが、咽頭や直腸、子宮頸部では精度が低く診断には適さないといわれています。グラム染色では髄膜炎菌がグラム陰性双球菌を示すため、確定診断のためにはグラム染色に併せて培養検査や核酸増幅検査の併用が必要となる。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ
マイコプラズマ・ウレアプラズマは「尿、膣ぬぐい液(膣分泌液)、咽頭うがい液」の検体で検査が可能な性感染症です。検査の種類には一般的に用いられる「核酸増幅検査(PCR法など)」があります。
直腸肛門擦過物(直腸分泌液)での検査は保険適応はなくすべて自費検査となります。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能です。
核酸増幅検査
核酸増幅検査にはPCR法やTMA法、LAMP法などの検査方法があり、精度の高い「高感度の」検査のため、感染の初期や無症状時といった病原体が少ない時期でも病原体の検出が可能です。感染の有無や治療後の治癒確認の検査でも使用されますが、検査はほとんどの施設で外部の検査機関へ委託をし検査をするため、検査結果が出るまで2,3日の期間を要します。治療後の治癒確認の検査では抗菌薬により死滅した菌体が残っているとそれも検出してしまうことがあるため、「治療後2週間以上期間を空けての検査」が大事になります。
膣トリコモナス
膣トリコモナスは「男性では尿、女性では膣ぬぐい液(膣分泌液)」の検体で検査が可能な性感染症です。男性の場合、排尿により原虫が洗い流されてしまい、感度が低く「感染していても陽性とでずに陰性と出てしまう偽陰性となる」ことがあります。検査の種類には「直接顕鏡法」による顕微鏡検査、「分離培養法」「核酸増幅検査(PCR法など)」があります。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能です。
直接顕鏡法
顕微鏡で検体を観察することにより、検体中にある特徴的な動きをする原虫の確認をすることができます(検出率60~70%といわれている)が、原虫が確認できなかった場合は分離培養法や核酸増幅検査(PCR法など)が必要となります。
核酸増幅検査
核酸増幅検査にはPCR法やTMA法、LAMP法などの検査方法があり、精度の高い「高感度の」検査のため、感染の初期や無症状時といった病原体が少ない時期でも病原体の検出が可能です。感染の有無や治療後の治癒確認の検査でも使用されますが、検査はほとんどの施設で外部の検査機関へ委託をし検査をするため、検査結果が出るまで2,3日の期間を要します。治療後に原虫が残存していると、生理中に原虫が増殖するため、「治療後の生理後の検査」が大事になります。
分離培養
様々な細菌など微生物を含む検体から膣トリコモナスのみの培養に適した培地で培養をすることにより膣トリコモナスの診断を行う検査です。
カンジダ
カンジダは「男性では尿や皮膚擦過物(綿棒で擦りとった検体)、女性では膣ぬぐい液(膣分泌液)、皮膚擦過物」の検体で検査が可能な性感染症です。検査の種類には顕微鏡検査、培養検査があります。培養検査では1週間程検査結果に時間を要し、カンジダ以外の一般細菌も検出されることがあります。常在菌の1種のため、治癒し症状が消失しても陽性と出る場合があります。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能ですが、常在菌の1種のため、症状の有無が重要となります。
顕微鏡検査(グラム染色)
検体を染色し、顕微鏡で検体を観察することにより、検体中にある特徴的な構造をしたカンジダを探す方法です。原虫が確認できなかった場合は分離培養法や核酸増幅検査(PCR法など)が必要となります。
培養検査
一般的な細菌の培養検査となるため、カンジダ以外にも様々な菌が検出されることがあります。特殊な環境下でないと増殖できない病原体については培養ができないため、膣トリコモナスなどを培養で検出したい場合は別途検査が必要となります。
核酸増幅検査
核酸増幅検査にはPCR法やTMA法、LAMP法などの検査方法があり、精度の高い「高感度の」検査のため、感染の初期や無症状時といった病原体が少ない時期でも病原体の検出が可能です。検査はほとんどの施設で外部の検査機関へ委託をし検査をするため、検査結果が出るまで2,3日の期間を要します。カンジダは常在菌の1種のため、検出されたかたらといって必ずしも治療が必要な状態ではありません。
ヘルペス
抗原検査は皮膚擦過物もしくはびらん・潰瘍から採取した検体を用い、抗体検査は血液を用います。血液検査での抗体検査は検査結果が陽性であったとしても「今の感染とは関係がなく、いつ感染を起こしたか不明な過去の既感染を示す」点と「口唇・性器ヘルペスの区別がつかない」ため、ヘルペスの抗体検査は積極的におすすめされません。自身が抗体陰性の場合は「ヘルペスウイルスにこれまで感染をしたことがないという確認となる」ため、抗体が陽性のパートナーから感染するリスクがある可能性を確認することは可能です。抗原検査としてはイムノクロマト法による抗原検出があります(保険での検査も可能)。
感染機会から24時間経過をしていれば検査は可能です(抗体検査の場合は1か月経過してから検査が可能です)。
抗原検査(すでに症状がでている場合、イムノクロマト法)
症状のある部位の皮膚擦過物もしくはびらん・潰瘍からさいしゅした検体を使用して、イムノクロマト法による抗原検出を行います。検査結果は同日に判明します。
抗体検査(症状がなく既感染かどうかをたしかめたい場合)
血液検査で、思い当たる行為から1か月経過をしていれば検査可能です。
梅毒
梅毒は梅毒の検査は抗原となる病原体の「トレポネーマ・パリダム」を検出する方法のPCR法はあるものの、検体採取に習熟していないと検出感度が良くないため、検査が陰性でも梅毒を否定できないといわれているため、検査に使用されることはありません。実際の検査は血液検査による「TP抗体」「RPR抗体」の検査になります。
TP法は感染機会から6週間後、TP法+RPR検査は感染機会から1か月後から検査可能(TP法自体はウィンドウ期ですが、RPR法での評価が可能となるため)となりますが、正確な診断のためには3か月後に再度フォローアップ検査を行うことが推奨されています。
血液検査(TP抗体、RPR抗体)
TP法は梅毒の病原体そのものへの抗体のため、梅毒以外の病気で陽性と出ることはほとんどないものの感染から6週間経過し陽性となるため、心当たりのあるタイミングから6週間経過をしていれば検査は可能です。一度陽性となると治療後も陽性が一生続くため、治療効果の判定には不適切です。6週間時点の検査で陰性であったとしても、より正確な診断のためには感染の機会から3か月以降が推奨されているため、3か月経過してからのフォローアップ検査がおすすめです。
RPR法は梅毒感染をするとリン脂質に対する抗体が生成されるため、それを調べるのがSTS法でSTS法の1種にRPR法があります。RPR法による抗体価は梅毒に対する特異的なものではないため、他の要因で陽性となることがありうる検査です。抗体価は治療に反応して低下をするため、治療効果の判定に使用されます。定性検査と定量検査があり、定性検査は「陽性もしくは陰性」、定量検査は「抗体価」で判断されます。過去に感染をしたことがある場合は、感染の有無を判断するため、定量検査での検査が必要となります。
一般的な梅毒の感染の有無を調べるのにはTP法が使用されます。即日検査といわれるのはこのTP法によるものです。
過去に感染歴のある場合はTP法とRPR法も併せての検査となります。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは通常は肉眼的な視診で診断を行います。梅毒の扁平コンジローマや癌との鑑別が必要となるため、必要に応じて血液検査による梅毒検査、病理検査による癌との鑑別を行う場合があります。また、症状の有無に問わずHPV感染をしているかどうかをみる病原体遺伝子検査(ハイブリッドキャプチャー法):あくまでも発症するかどうかはわからず、リスクの有無についてを調べる検査があります。
ハイブリッドキャプチャー法による高リスク型/低リスク型 検査
女性は子宮頸部のぬぐい液、男性は陰茎の亀頭と包皮の内側部分の粘膜部分をふき取った検体)があり、尖圭コンジローマなどの良性のいぼを形成する低リスク型(6,11型など)、子宮頸がんなどの悪性化リスクのある高リスク型(16,18型など)を病原体遺伝子検査(ハイブリッドキャプチャー法)で検出します。
B型肝炎
B型肝炎は血液検査によって診断を行います。即日検査といわれる検査はイムノクロマト法、CLEIA法などによる「HBs抗原検査」のことを指し、他の方法としてはより精度の高いB型肝炎ウイルスの遺伝子を検査する核酸増幅検査があります。
HBs抗原検査は感染機会から2か月後(60日)から検査が可能となります。核酸増幅検査は感染機会から35日後から検査が可能となります。
HBs抗原検査、核酸増幅検査であるHBV-DNA定量検査
HBs抗原検査はB型肝炎に感染しているかのスクリーニング検査として使用されます。感染初期のウィンドウ期といわれる検査を行ってもウイルス量が少なく陰性と出てしまう期間があり、HBs抗原は59日とされています。急性肝炎発症時はHBs抗原が早期に陰性化してしまうため、IgM型HBc抗体の測定も必要となります。
核酸増幅検査である「HBV-DNA定量検査」はウィンドウ期は34日といわれています。
C型肝炎
C型肝炎は血液検査によって診断を行います。即日検査といわれる検査はイムノクロマト法、CLEIA法などによる「HCV抗体検査」のことを指し、他の方法としてはより精度の高いC型肝炎ウイルスの遺伝子を検査する核酸増幅検査があります。
HCV抗体検査は感染機会から3か月後から検査が可能となります。核酸増幅検査は感染機会から24日後から検査が可能となります。
HCV抗体検査、核酸増幅検査であるHCV-RNA定量検査
HCV抗体検査は「現在感染している人」「過去に感染をしたことがある人」で陽性となります。感染初期ではウイルスに対する抗体がすくなく、検査を行っても陰性と出てしまう期間があり、HCV抗体は3か月ぐらいとされています。HCV抗体が陽性の場合は現在の感染の有無を調べるために、HCV-RNA定量検査を行います。
核酸増幅検査である「HCV-RNA定量検査」はウィンドウ期は23日といわれています。
A型肝炎
A型肝炎は血液検査によって診断を行います。血液中にIgM-HA抗体が存在するか検査を行います。イムノアッセイによる血清検査法が一般的で、感染機会から1~3か月間で検査が可能となります。
赤痢アメーバ
検査は糞便を用いる糞便直接検鏡検査、イムノクロマト法による糞便迅速抗原検査、核酸増幅検査(PCR法)による病原体の遺伝子検出になります。外科的治療で採取された検体や内視鏡で採取された検体からの病理検査。血液を用いる血中抗体検査になります。
糞便直接検鏡検査は検査を行う技能により精度が左右され、陰性であったとしても感染を否定することができません。海外では診断に用いられない検査となります。
糞便迅速抗原検査は栄養型の表面タンパクを検出する方法のため、症状の弱いもしくは無症状の場合は糞便中にはシストがメインとなり検出できないことが多いといわれています。
血中抗体検査は検査に使用する試薬が製造中止となったため、検査を行うことができなくなってしまいました。
PCR検査は保険適応外の検査となりますが、感度特異度ともに高い検査方法となりますが検査施設が限られています。
HIV/AIDS
HIVの検査は一般的にスクリーニング検査と確認検査の二段階で行われます。スクリーニング検査には抗体検査(第1~3世代検査)と抗原抗体同時検査(一般的には第4世代検査ともいわれています)があり、主に第4世代検査が用いられます。ウィンドウ期は約28日といわれており、第1,2世代の50日、第3世代の32日より短くなっています。いわゆる、HIV検査といわれるのはこのうち第4世代検査を指すことが多いです。
スクリーニング検査で陽性であっても偽陽性の可能性があるため、確認検査が必要となります。HIV-RNA検査(核酸増幅検査)とHIV-1,2抗体確認検査を行い確定診断をおこなっていきます。核酸増幅検査のウィンドウ期は10~12日といわれており、13日を経過してからの検査となります。
これらの検査の結果陰性であったとしても、厚生労働省のガイドラインにより最終的にHIV感染を否定するためには、感染機会から3か月経過後に検査をする必要があります。